まおの世界修行ブログ

とある医学生が世界各地で修行しながら世界一周するブログ

スペイン巡礼で1ヶ月歩き続けて考えたこと

9月4日にフランスのサンジャンピエドポーから歩き始め、

10月5日にスペインのサンチアゴデコンポステーラに到着するまで32日間、計800kmを歩きました。

maonologue.hatenablog.com

 

 

この巡礼が、僕の世界一周のテーマであった「世界各地で修行をする」の最後の修行だったのですが、今までの修行(インドで10日間瞑想、エジプトで1週間ラマダン)と比べると

一番キツくて、そして

一番楽しかった

修行でした。

 

歩いている時に考えたこと

 巡礼中はもちろん友達もたくさん出来ましたが、歩くペースはバラバラなので基本的に歩く時は一人のことがほとんどでした。

毎日7〜8時間も歩いていると、否が応でも色々と考えることになります。 

自分の将来のこと。これからの旅のこと。今の悩みごと。昔の思い出や後悔。

(歩いている時に書いたメモを元に書き起こしているため、ポエムっぽくなります)

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夜明け前

僕が好きだったのは、まだ太陽が昇る前の真っ暗な時間帯。

真っ暗な中、星の光でかすかに見える道を歩いていく。

周りのものも自分の体の輪郭さえもはっきり見えない。すると、自分が周りに溶け込んだ感触になる。

まだ鳥も植物も眠っている、死人がたてるかすかな音しかしない世界。

そんな時だからこそなのか、いろんな考えが自分の中を通り過ぎていく。

 

こんなに自分のことだけに集中できたことって思い返せばなかったと思う。

世界一周に出る前も、目の前のテスト勉強や部活に追われていたし、暇な時間もSNSとかで潰れていた。

世界一周中すれば時間ができるかなと思ったけど、旅をしていると次はどこに行こうとか何食べようとか意思決定に費やす時間とかが多くて、何もしていない時間ってあまりなかったり。

巡礼を歩いている間は他に何もすることがないので、必然的に考えることが多くなる。

 

巡礼は瞑想に似ている

カミーノデサンチアゴを合計4回も歩いたウルグアイのおばあさんが言っていたけど、巡礼は瞑想にとても似ていると思う。

maonologue.hatenablog.com

自然の中を歩きながら、普段なら見逃しているだろうなというものによく気がつく。

道端に咲く花の美しさや朝日の神々しさ、林の中を歩く時に感じる澄んだ空気だとか草いきれの独特の匂い、自分の体調の浮き沈み、暑いな寒いなとかいった感覚に意識が向く。

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同じ景色を歩いてても、僕が注意してもみなかったブドウ畑の美しさとかにウルグアイのおばあさんは気づいていたし、

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同じ自分でもこの林道ワクワクするなとか空の雲が綺麗だなと気づく時もあれば

暑すぎて景色を楽しむ余裕なんてなくてただただ惰性で歩き続けた時もあった。

 

インドでやったヴィパッサナー瞑想も同じだった。

目を閉じて暗い部屋で瞑想をして、身体に立ちのぼっては消えていく感覚をひたすら見つめていく。ああ、お尻が痛いなとか、少しの風を頭に感じるなとか、足が少し熱っぽいなだとか。

maonologue.hatenablog.com

 

一緒に歩いた人たちに教わったこと 

カミーノを歩く巡礼者は10代から80代まで男女問わずいろんな国の人がいるけど、転職だったり、定年退職だったり人生の転機のタイミングでカミーノを歩こうという人が多い。

境遇は違えど、巡礼者の間では人に優しくしようLoveを分け合おうという雰囲気が満ちていて、「何をもらえるか」じゃなくて「何を自分はしてあげられるか」ということを皆が探して率先してやっているのをみて、ああなんて素晴らしいんだろうと思った。

たぶんみんなテイクすることなんて考えずに、ひたすらギブすることが自分の幸せにつながっているって感じていたからなんだろうな。

料理も振舞ってくれたし、怪我したら何も言ってないのに気遣ってくれて薬を分けてくれたり、自分で創作したアートをプレゼントしてくれたり、、

僕は何をしてあげられるんだろうと自然に考えるようになっていた。

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西の果てフィニステーラに沈む夕陽

1ヶ月以上も歩き続けるのは肉体的にはたしかにすごくしんどくて、足のマメは痛みを感じなくなるほどできたし、靴が履けなくなるくらいアキレス腱が腫れたりした。

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歩いている途中で突然目の前の世界が全部真っ白になって眩暈で倒れそうになった

でも全ては気の持ちよう。50km歩くって決めたらその通り歩けたし、友達に会うためって考えたら体がすごく軽く感じた。

maonologue.hatenablog.com

 

巡礼を終えて

巡礼を始める前は800kmなんて途方もない距離だと思ってて(まあ実際そうだったんだけど)、毎日25~30kmずつ歩いていったら、いつの間にか300km、500km、800kmというように歩けていた。

この一番長い修行をやり終えたことは、飽き性で続けることが苦手な自分にとって一番の自信になったと思う。

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この夕日を見たとき、ああ本当に僕の巡礼は終わったんだなと感じた。

巡礼を歩ききれば何か変わるかなと思っていた。

でも正直、サンチアゴデコンポステーラまで歩き切って自分が変わったかと聞かれれば、何も変わっていないと答えると思う。

それでも、60代70代で巡礼している人を見て、この年でも何かしら悩みがあって巡礼を歩いているんだと思うと、僕も悩んでいていいのだなと思えたし、

同じように悩んでこの道を歩いている仲間たちに出会えて、このまま悩んだままの自分でいいのだと肯定できるようになったと思う。

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おそらく悩みがなくなることなんてないし、人生ずっと迷い続けて、それでもそれが人生なんだろうなと思った。

 

 

ということで巡礼を歩き終わってもう2ヶ月が経とうとしている今(実は帰国へのフライトの前日。。。)は何を考えているかというと

 

 

生きるって大変だけど楽しい!! って思えれば、何やっても勝ちだと思う

 

だから

 

生きてて楽しいー!!

 

俺は生きてるぞーっ!!!!

 

って思えることをしような。

 

って思います。

 

 

以上、とりとめのない文を最後まで読んでくださってありがとうございました。終わり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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