一番"運"の悪かった日
巡礼を始めて2週間ほどたった頃...
僕の足は限界に達していた。
日本で巡礼用に買った丈夫なトレッキングシューズも、15kgにも及ぶ重い荷物を背負って、1日25~30kmにも及ぶ長い距離を歩くのは想定されていないのだろう。
左足のアキレス腱の部分が、靴擦れを起こして普段の2倍くらいに膨れ上がり、歩けないくらい痛くなっていた。
どうしようもないので、普段履きに使っているクロックスで歩くことに。
今振り返ると、800kmある巡礼路のうち半分以上をクロックスで歩いていた。
歩きやすいけど、急な斜面の山道や砂利道をサンダルで歩くのは流石にしんどくて、何のために歩いているんだろう...もう辞めたい...とネガティブな気持ちになっていた。
さらにその日は朝からお腹の調子が悪かった。
それでも歩かないわけには行かないので、ゆっくりながらも歩き始める。
スタートしてから20kmほど歩いた頃、お昼前に街に着いた。
ここで休憩してもいいんだけど、宿もまだ空いていないし、時間的にも中途半端だったので次の街まで目指すことに。
ただ、この次の街まではなんと13kmもあって、途中に一切街や休憩所がないのでぶっ通しで歩ききらないといけないのだ。
覚悟を決めて歩き出すも、だんだんと強くなる日差しに汗はダラダラ。
3kmほど歩いたところで事件発生。
お腹が...痛い...!やばい、もう我慢できない。
だが残酷にも一番近いトイレ(街)まで3km。これは間に合わない。
周りを見回すと、そこには草の茂み。近くに巡礼者も見当たらない。
やるしかない。
意を決して草むらに飛び込み、地球の大地の上に致した。
スッキリした〜という解放感と、大地の上に直接したというダブルの解放感は少し気持ちよかったのは事実だけど(汚い話ですみません)
少し汚れてしまった下着を半ケツでいそいそと替えているときに、まさかの前方から自転車が。
自転車に乗ったおじさんは半ケツの僕をチラッと見て、二度見した後、見て見ぬふりをしてシャーッと通り過ぎていった。。
どう取り繕うこともできずにその後も宿までトボトボと歩き続け、宿で泣きそうになりながら下着を洗っていた時は、その日の運の悪さを呪うことしかできませんでした。
楽しい時間ばかりではない、巡礼の辛い部分を味わった1日でした。