イスラエル人の家に泊まってパレスチナをどう思ってるのか聞いてきた
こんにちは、まおです。
前回はパレスチナ人の家に泊まって、パレスチナの信じがたい現状を直接聞いてきました。
今回はそれを踏まえた上で、エルサレムに住むイスラエル人の家に泊まって、色々聞きたいことを聞いてきました。
イスラエル人の家へ
今回泊まらせてくれたのはEmanuel Vizenくん。
彼は僕と同じ23歳で、アートを勉強している大学生。今度彫刻を勉強するためにイタリアに留学するらしい。彼の部屋には、彼が描いた絵や彫刻がたくさん並んでいる。
彼の部屋には合計で3泊もさせてもらって、ゆっくり過ごしながらいろんな話をした。
彼はいろんなことを知っていて、イスラエルでの生活、ユダヤ人のことなどを教えてもらい、彼自身も色々日本のことを聞いてくれた。
イスラエル人はみんな英語が上手で、彼も英語が流暢。
彼が作ったご飯を食べながら、彼が好きな「Rick and Morty」という有名なアメリカのコメディを一緒に見てた(見させられた)んだけど、正直英語が難しすぎて話の半分も分からなかった(笑)
彼が笑うタイミングに合わせて、調子よく笑うという技術を身につけなんとかやり過ごしてた(笑)
彼とは一緒にご飯を食べに行ったり
夜はビールを一杯だけ飲みに行ったり
街も丁寧に案内してくれて、本当に良くしてくれるいい人だった。
彼のおかげで、最近のイスラエルの若者の生活が体感できてとても面白かった。
ユダヤ教は信じていない?
Emanuelくん自身のことに話を戻すと、高校を卒業した後、イスラエル軍に1年半従事。ガザ地区のすぐ近くにも行ったことがあるそう。
イスラエルは徴兵制で、18才~22才の時に必ず、男性も女性もイスラエル軍に入らないといけないのです。女性も徴兵制がある国はイスラエルくらいじゃないかな。
街中でも、オフの女性兵士がマシンガンを持ちながら歩いているので、ちょっとびっくりする。
あらかじめEmanuelくんの立場を説明しておくと、どちらかというと右寄り。(Conservative保守的と彼は言っていた)
そして、彼はユダヤ教は信じていない。正確に言うと、おそらく世俗派と呼ばれるグループで、ユダヤ教の律法とかには全く従わない人たちのこと。僕はイスラエル人はほとんど全員ユダヤ教を信じていると思っていたので驚いた。調べてみると、ユダヤ教を信じているとされている人の中でも、全く律法に従わない世俗派の人は43%もいるらしい。
まずパレスチナの現状を知ってる?
以下、僕が彼に色々聞いてみたことを書いていきますが、
正直、イスラエル人にパレスチナのことを当事者でもない僕が聞くのは憚られる気持ちもあったので、突っ込めない部分もあったけど許して下さい。
僕はまず彼に、僕が会ったパレスチナ人の話をした。パレスチナの人は隣町に行くのですら検問を通らないといけないこと。IDを発給されないから外国に行けないパレスチナ人がいること。
すると彼はこう答えた。
「イスラエルの人は多くの人が、政府がパレスチナに対して何をしているか知っている。彼らの軍隊が圧倒的にパレスチナの軍力を上回っていることも。
それでも、例えば検問をやめるっていうのは、テロの危険性が増すから難しい。」
そう、やっぱりイスラエルの人にとってはテロが怖いんだって。
彼は「検問を作ってからは、エルサレムで起きるテロの件数も減ったから、検問をなくすことはできない」と言っていた。
パレスチナの人の話を聞いた僕からすれば、人権侵害だ!と怒る気持ちになっていたけど、実際問題、僕がもしエルサレムに住むイスラエル人だったら自分や家族の命が大事に決まっているんだからテロを起こす可能性のあるパレスチナに検問を作って当然だ、という考えになると思う。
パレスチナ占領について
そして彼にまた別の質問をしてみた。
イスラエル政府がパレスチナの土地に、ユダヤ人用の集合住宅を建設して海外からユダヤ人を呼び込んでユダヤ人口を増やそうとしてるって聞いたけど、ほんと?
彼はこう答えてくれた。
「今の政府がそうしているのは本当だと思う。イスラエル国内にもパレスチナ占領をストップするべきなんじゃないかという左寄りの意見も多いんだけど、現在の政府は右寄り。今のイスラエル政府の問題。」
なるほど。もちろんイスラエル人の中でも、これ以上パレスチナを占領しようとする動きに反対している人たちもいるんだね。それでも選挙で勝ったのが右寄りの政党だから、強行的な姿勢なのか。
ネットで調べてみるとこんな画像も出てきました。
イスラエルの中でも、パレスチナへの姿勢がやり過ぎ、人種差別的だと思っている人たちもたくさんいるそうです。
Emanuelくんも言っていました。「もちろんアラブ人とは良くしたいけど、テロの危険も減らさないといけない。そのバランスが難しい。」
ユダヤの文化が優れている...?
というように彼は彼なりにおそらく中立な立場で彼の考えを教えてくれました。
でも彼の言葉で唯一引っかかるものがありました。
「パレスチナのアラブ人の文化と、ユダヤの文化を比較するとユダヤの方が優れていると思う。もちろん全ての人間は平等だと思っている。でも文化のレベルで比べた時、彼らの文化やイスラム教はジハードとか言ってテロを起こしたりprimitve(原始的)だ。アラブ人は俺たちのユダヤの文化に学ぶべき、フォローすべきことがあると思う。」
アラブ人が劣っていると彼が言った訳ではないですが、なんだかこの言葉を聞いた時にユダヤ人のアラブに対する偏見を垣間見た気がしました。
僕は彼に「今まで旅してきてイスラム教はとても論理的な宗教だと思ったし、さらにISISとかは宗教を利用しているだけのテロ組織。アラブ人の文化は全然原始的ではないと思うけど」と言ったのですが、彼はなんだかあまり納得していない様子でした。
正直、これ以上深掘りするのは失礼だと思ったので聞いてませんが、彼にはおそらくアラブ人の友達がいる訳でもないし、アラブの文化を直接体験した訳でもないと思います。彼が旅行した国を聞いたけど、その中にアラブ圏の国はありませんでした。
そんな文化に優劣をつけても仕方ないと僕は思うんですけど、偏見とかをなくして、お互いが理解しあうためには個人レベルで友達になっていくしかないんじゃないかなあ。
そしたらアラブ人もいいやつじゃん!ってなってくれると思うんだけど。
難しいのかな。
まとめ
彼から話を聞く前は、完全に僕はパレスチナの肩を持っていたのですが、
イスラエル人の立場になって考えてみると、テロから自分たちの命を守るためならパレスチナ人を制限・管理しようっていう考えになってしまう気持ちも分かりました。
どちらかの得になることは、どちらかの損になることなので本当にどう解決すればいいのか難しいです。
でも客観的な数字でみると、戦闘で殺された数はパレスチナ人の方が圧倒的に多いし、現在のパレスチナ人の人権が無視された状況は絶対に看過されてはならないものだと思います。
イスラエルがこれからパレスチナに対して態度を軟化させていく方向になって、一刻も早くパレスチナに平和が戻ることを祈っています。
祈るだけじゃなくて自分にもできることがないか、探していこうと思っています。それがどんな方法になるのかは今は分かりませんが。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
たまにブログ読んだよ〜ってLINEとかで友達が連絡をくれるんですが、めちゃくちゃ嬉しいです。これからもコメント待ってます。
次回は平和活動家・イブラヒムおじさんのピースハウスに泊まってきた時のことを書きたいと思います!
実はこのおじいさん、ホワイトハウスや数々の国際会議に呼ばれるほどのすごい人らしい。
お楽しみに。