まおの世界修行ブログ

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イスラム教は後出しジャンケン。だから強い

イスラム教の歴史

 まず、ユダヤ教が最初に生まれて、その1000年後にユダヤ教の律法主義的な状況に矛盾を感じたイエスキリスト教を作りました。

そしてその600年後に、神の教えが人々に伝わるにつれて歪められていると感じた神が、最後の預言者としてムハンマドを選び、イスラム教ができました。(イスラム教は教えています)

 

つまり、ユダヤ教の矛盾点を直すためにキリスト教が、キリスト教の矛盾点を直すためにイスラム教が作られたという歴史があるのです。

 

だから、イスラム教は論理的な勝負で後出しジャンケン的に強いのです。

 

「なんか日本から来たイスラム教に興味があるやつがいるらしい」という話を聞いたエジプトの高名なイスラム教の学者の家に招かれて、イスラム教の講義を受ける機会がありました。

僕がイスラム教の疑問点を質問しても、全て正確に答えを返されて、「キリスト教ユダヤ教には数多くの矛盾点があるけど、イスラム教はそんなことはない。イスラム教こそが唯一の正しい宗教だ」という話をされました。

たしかに話を聞いてみると、イスラム教は論理的に強くて、他の宗教に対する優越性を認めざるを得ませんでした。

 

他の宗教よりどこが優れてるの?

例えば、ユダヤ教キリスト教の経典である旧約聖書新約聖書には数多くのバージョンがあって、書き写しミスなどもたくさん見つかっています。一方、コーランは作られてから現在まで一文字もコピーミスがなく全て原本通りに正確に記述されているそうです。

正しい神のお告げは1つであるはずなのに、色々なパターンがあってしまうのはおかしいだろうと言って、それはユダヤ教キリスト教の格好の攻撃材料になっています。

 

また、一神教のはずのキリスト教は途中から父なる神、神の子イエス=キリスト、聖霊の三位一体説を唱えて、人間であったはずのキリストが神格化されました。これは、神の下に人間は平等であるという教えに反するし、信仰する神的存在が複数いるのも一神教としては問題があります。

なぜなら、創造主である神は唯一無二で、他の神の助け、存在を必要としないからです。

 

他にもキリストや聖母マリアの絵が描かれたりしているのも偶像崇拝だとして問題があります。

 

イスラム教は、その問題を全て解決。

アラー以外の神の存在は認めていないし、偶像崇拝を禁じるために、アラーの絵や像を作ってはいけません。神の下に平等であるため、預言者ムハンマドですら1人の人間として扱われており、崇拝することは禁じられています。(スンニ派)

 

このようにしてほとんどの他の宗教の問題点を解決しているから、僕は後出しジャンケンみたいだなと思いました。

さらに、イスラム教では、ムハンマドが最後の預言者だとされているので、これ以上新しい宗教を作って、「イスラム教の〇〇は間違っていた、俺たちこそが正しい神の教えを説く宗教だ」と主張するのは難しいのです。

 

後出しジャンケンで勝った上に、「もう勝負はここまで~!終わり!」と言っているようなもんです。

こんな宗教に論理的に勝つのは難しいでしょう。

 

僕の質問とそれに対する答え

A. なぜ神は唯一で、他の神がいることを許さないの?

Q. ある船に船長が複数いたら、その船は舵取りができなくなって沈む。

 

Q. なぜイスラム教の神は慈悲深い神のはずなのに、他の神(多神教アニミズム)を信じることを許さないような嫉妬深い神なの?

A. 神はとても優しいし慈悲深いため、他の神を信じることを許すが、その人は死後に天国に行けない。例を挙げると、ある家の主人に食べ物をもらい、給料ももらっている使用人が、主人のことをリスペクトしなかったら、主人はどう思うかということを考えると良い。

 

Q. うーん、それは論理的には正しいけど、他の宗教の側に立って考えればあちらが正しいということになるかもしれない

A. 君自身がどの宗教を選ぶかという視点で考えると、論理的に全ての宗教を比較してほしい。イスラム教が最も正しいということが分かるはず。

 

僕のイスラム教に対する考え

このように講義を受けたりイスラム教徒とたくさん会って、僕はイスラム教のイメージがすっかり変わりました。ニュースになりがちなテロ組織は、その教義をねじ曲げて聖戦だなどと主張しているだけで、自己矛盾に目を覆っているだけです。人を無差別に殺すテロを許すような宗教があるはずがないですから。

 

ただ、僕がイスラム教徒になるのかと言われると、それはないと思います。

 

論理的には正しくても、感情的に他の宗教の存在を許さない排他的な姿勢が僕には受け入れられないのです。

一神教は全て中東の砂漠地帯で生まれていますが、その厳しい環境の性質がそうさせているのかもしれません。

日本は伝統的には八百万の神を信仰する多神教ですが、それは海あり、川あり、山あり、森あり、という日本の豊かな自然が多神教に適していたからだと思います。

 

イスラム教にもスンニ派シーア派の対立など、もちろん多くの問題がありますし、その宗教を信じるのは自由だと思いますが、それこそが唯一正しい!異教徒は認めない!と独善性を主張するのは世界の多様性の事実に即していないと思います。(論理的にそう言いたくなる気持ちも分かるけど)

 

ユダヤ教キリスト教イスラム教も現在世界的な宗教となっているのは、それが作られた時代が混乱期にあった時です。

その時代の変化に合わせて、その現実に即して人々の心を捉えたものが世界宗教となって残ったのです。

 

世界がグローバル化を続けるのか保護主義に向かうのか、混乱期にある今、人々の心に平安をもたらす新たな世界宗教が作られるべき時なのではないかと思います。それがどのような形になるのかは全く分かりませんが。

 

瞑想をして学んだ大切なこと。

「この世で唯一不変なものは全てのものが変化するということ」

 

この原則に照らし合わせると、真実なんてものは変化するんだから、正しい宗教というのも時代に合わせて変化する。イスラム教が生まれて以降、1400年もそれに続く世界宗教が生まれてない今、新しい世界宗教が作られるのも遠くない未来なのかなと僕は思います。

 

maonologue.hatenablog.com

 

 

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